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ウェル・ビーイング

「持続可能な地域社会」に必要なマインドセットとは?

自然とのつながり イメージ画像

税制優遇や規制緩和、政府の掲げる経済成長戦略は都市圏においては恩恵が受けられても、
地方経済にとってはますます厳しいものになるのではないか・・・。
そんな不安の声があります。
施設の老朽化やシャッター街と化す商店街。地方の街はこのままだとますます子供が減り、移住する人も少なくなってしまいます。
今、「地方創生」には柔軟な視野がますます求められています。
これまで地方創生といえば、自治体と第三セクターが主導して行うものが主でした。
しかし、継続的な集客を見込めるビジネスプランニング力やクリエイティブ性などが不足しているなどでうまくいかない例も多くありました。これからは民間企業や機関、商店、メディア事業者などが連携して様々なアイデアを出し合い、環境に配慮した持続可能な空間を創る事、周辺地域を含めた経済圏をうまく創り出す再開発が必要になっています。

本日は、そんな「持続可能な地域社会」にむけ、〝自然とのつながり〟〝人と人のつながり〟を創ることについて考えてみたいと思います。

■ウェル・ビーイングとは?

各方面で個人の「well-being(ウェル・ビーイング)」を重視する傾向が高まっています。
well-beingとは、直訳では「幸福」や「健康」という意味で、WHOが提唱する概念としては「身体的、精神的、社会的に全てが満たされた状態」のことを意味します。

”ウェル・ビーイングとは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念。”(引用:雇用政策研究会報告書 概要(案) – 厚生労働省)

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。”(引用:社団法人 日本WHO協会「世界保健機関(WHO)憲章」)

これらが世界的に注目されている背景には「SDGs」が叫ばれていることがあります。
SDGs、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)は2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された17のゴールと169のターゲットから構成されます。地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」を誓っています。
その中で「GOOD HEALTH AND WELL-BEING(すべての人に健康と福祉を)」といったwellbeingに関する内容も掲げられているのです。(引用:外務省ホームページ (SDGsについて) )

今月、広島でG7国際会議が開催されますが、各国の首脳陣によってまさに「持続可能な社会」について話し合われる予定です。ウクライナ・ロシア戦争によって私たちは「平和」が当たり前ではないことに気づかされました。
日頃、平和ボケしている日本では“恐怖に襲われながらびくびくして暮らす”、“家族と会えない”“自由に活動できない”日常など実感できないかもしれません。改めて、心身健康であること、人と出会えること、平和に暮らせることとは何かをじっくり考えてみたいものです。

■「居心地がいい」と思える街とは?

コロナ以降、「地方移住」に興味を持つ人が増えました。
しかし、都心部から都内近郊への移住以外での地方移住はなかなかまだ増えない現状があります。
それには上記のような自律型の街、地域経済の仕組みづくりがなかなか進まないこともあります。移住はできても、雇用がなかったり、教育や医療の充実など安心して暮らせるイメージが沸かないなど課題があります。
旧来からそこに暮らす人にとっては、慣れたものを手放して新しい環境に変わることは不安です。新しいシステム導入にも戸惑い、反対がでることもあります。一方で、これから移住したいと思う人には地域のコミュニティになじめるか、暮らしに必要なサービスがそろっているかなどが不安で気になるところです。
移住者が住みたいと思える、安心・安全な街の条件として、例えば、以下のようなことがあります。

  • 心も体もここちよくいられる空間、環境
  • 自然と共存するエコカルチャー
  • 子育て環境の充実
  • 教育機会の充実
  • 健康的な働き方と雇用創出
  • 医療福祉サービスの充実
  • 文化的、創造的な交流
  • 移動手段の充実
  • ダイバーシティー意識

これからは街も、「人」ありき。個人のウエルビーイングを考慮した在り方がより求められます。
そして、さらに「経済」を生み出すには “つながり” 視点が大切になってくるのです。

■つながる100年持続可能な街づくり

近年の再開発では、施設と地域の自然のある公園が一体型のものが増えています。
自然環境を守りながら共存共栄の価値観を大事にしていくといったものです。
ヨーロッパなどで街と一体化してうまくいっている施設や公園の多くは、寄付、企業からのスポンサー収入、投資などで成り立っているものが多くあります。
税金に依存することなく自律的に運営されているのです。

では、そんな自律的な街づくりを目指すには、どのような点をプランニングで意識するべきなのでしょうか?

①自然、食産物、歴史資源などについて詳しく知り、実体験し、街の人々との対話を通して地域経済がどのように循環しているのかを地道に考える

デベロッパーのみにメリットがあるような開発ではなく、地域の中小企業や商店、農家、工場や伝統産業で働く人々も潤う仕組みを創りだすのは大変デリケートで、大変難しい作業でもあります。
そのために、第三者視点でその街のいいところ、自然の利点、県民性など人・企業・街の潜在的な強みをひきだしていかねばなりません。そしてそれは無理に誘導するようなことであっても良くないです。
例えば、理解した気になり、都心部の人間からみて善かれと思う点で進めてしまう、権威や著名人の意見に左右されるなどはよくあるケースかもしれません。
地元の方々が振り返り、気づきを経て行動を変え、新しい環境に順応できるようになるには、まずは本人たちが気づいていないことに気づくステップが必要です。それが“課題である”か認識すらない人々も多く、それが課題ではないと感じていることも。
本格的な地方創生には、改革のための強み発掘作業以前に、聞く作業に慎重に時間をかけ、寄り添うことからはじめることも多々あるかもしれません。

②それぞれにとっての心理的安心・安全性についてじっくりと向き合う

あなたにとって「居心地」とはどんなことでしょうか?
それぞれが異なる感覚、価値観を持っていることが多々あります。男性女性はもちろん、世代、ライフスタイルや時期などによっても異なるでしょうか。
昨今、企業でも働きやすさ指標に「心理的安全性」が重要視されていますが、Z世代、女性、妊産婦、身体障害者、介護者、シニア、当事者の立場になってみたらどんなシチュエーションが「不安」に感じるか?どんなことが難しいと感じるか?などを実感してみることだと思います。ジェンダー・フリーに囚われすぎた結果、他が取り残されてしまう・・・といったケースもあるからです。

いかがでしたか?
昨今、地方創生における再開発においても企業経営と同様、ESG投資の視点、「ウェル・ビーイングな循環」が重視されています。大規模な事業は東京発でプロジェクト進行していくことも多いかもしれませんが、〝サステナブル〟〝エシカル〟などの言葉に惑わされず、まずは身近な、御社内の人間関係、家庭の夫婦関係から「居心地よさ」を改めて考えてみることをおすすめします。

ささいなことでも構いません。自社内だけではアイデアがでてこない、などありましたらお気軽にご相談ください。ざっくばらんにまずはお話いたしましょう。

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TEXT BY コミュニケーションデザイン本部 N

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